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Title I ME MINE
Skit 自分、自分、自分・・・
自分自身と向き合うこと、それは螺旋の中に埋もれているような感じだ。
出口のない堂々巡りを繰り返し、酔い痴れ、やがて偏狭となる。
Size F20号(W727mm×H606mm)
Material 油彩、木パネル
Duration 2020/05 - 2020/07
Reflect 「MINERVA」という企画展の出展用に描いた作品です。
これがイギリス・ロンドンで開催される予定なのですが、タイトルの「I ME MINE」はイギリスの伝説的ロックバンドであるザ・ビートルズの楽曲で、それを私なりの解釈で視覚化したものです。
私は16歳からザ・ビートルズを深く敬愛しており、32歳になり実に人生の半分を共に歩んできた記念とも言える作品を自画像という形で描写しました。
自分自身の風貌もザ・ビートルズに寄せています。

「人間のエゴイズムをテーマにした」と作詞作曲を手掛けたジョージ・ハリスンは語っており、私もそれになぞらえました。
「I」と「ME」と「MINE」ということで、安直ではありますがそれを「自分の三面性」とし、画面左から「自己陶酔」「自己顕示」「自己嫌悪」、いずれも出口のない螺旋状に思考が渦巻く心理状態を表しております。
それぞれポジティブな感情であったりネガティブな感情であったりしますが、いずれも客観的に見たら取るに足らないもので、しかし自身は周りが見えなくなるほどとにかく夢中で、その主観を風刺あるいは自嘲する意味で客観的に表現をしました。
色使いについては、左から慢心や愛慕を表す赤、活力や前向きさを表す黄色、憎悪や悲観を表す青を充てがいました。
今の私自身に一番通じているのは「自己顕示」(黄色)なので、それをメインにしています。

ちなみにこの曲は1970年、ザ・ビートルズが解散する前の最後にレコーディングされた曲で、その時点で既にジョン・レノンは脱退しており残りの3名で演奏された曲ということで、その点においても3という数字に必然性を感じております。

この曲を初めて聴いた当初より、グルグルと回るような「螺旋」というものを聴覚的に感じておりました。
それをいかに視覚化するかということで、画面に線状の流れ・動きを作ることでリズム、色を使い分けることでメロディーを再現したつもりです。
私は基本的に抽象画は得意とせず好まないのですが、この曲を表現するには不可欠と思い、発起してそのリズム&メロディーの抽象的表現を織り交ぜました。
完璧とは言えませんが、形状的にも色彩的にも何度も何度も描き重ねてようやく納得できるところまでに到達しました。
Note MINERVA2021出展(2021/04-05 京都市、2021/08 イギリス)