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Title 沈水
Skit 森が水に沈む———
あるものは流され、あるものはとどまる。

気象や地殻変動といった動的作用により、あらゆるものは時間の経過とともに変化を繰り返してきた。
今見えているこの景色、次の瞬間にはもう一致しない。

さしずめ水という物体は、移ろいを可視化したシグナルのようなものだ。
Size F10号(W455×H530mm)
Material 油性ボールペン、水彩絵具、木パネル
Duration 2017/09 - 2018/05
Reflect 大まかに言えば滝の風景画ですが、通常の滝(長年かけて水に浸食されながら水の通り道としてできた滝)とは異なり、
植物が生い茂っている陸地へ突発的に大量の水が流れ込んできたら、という映像を想像で描きました。
このまま水が流れ続けたら更に地面が削れてゆき、正面の大木も根が支えられずやがて倒れるのでしょう。
この瞬間の景観は限りあるからこその美、と言ったら文字通り自画自賛ですね・・・。

制作にかかった時間は測っていませんでしたが恐らく150時間以上だと思われ、一枚の絵に費やした時間としては現時点で自己最長となりました。
当初は1〜2ヶ月で仕上げるつもりでとりかかったのですが、細部の描写にこだわってしまったこと、ミスや不服な点からの軌道修正のために描き込み量を増さなければならなくなったこと、そしてそれ故にその先に描き進めるイメージの再構築が必要になったこと・・・と、どんどんとこじらせてしまいました。
途中2ヶ月間ほど、ほとんど手も付けられないスランプもありました。
エスキースや下書きを大雑把にしかしていない計画の杜撰さが生んだ悲劇ですが、その労力は出来映えに反映されていますし、技量を高める良いトレーニングになったかと思います。

自然の風合いを活かそうとパネルの木目模様を残したまま描き始め、着色するかどうかはデッサンが完了次第検討するつもりでいました。
結果、一色では物と物の堺や前後の奥行きが掴みづらいということで着色することにました。
薄く一塗りするつもりでいたのですが、今度は色ムラが気になり調整に調整を重ねて結局がっつりと着色してしまいました。

あと不満なのは臨場感に欠けているところです。
メインの木は見上げる角度なので、目線の高さの位置(細かい根のあたり)はもっと手前にきて良いはずなのですが、全体像を引きで見ているような遠近感になってしまいました。

反省点ばかりですが、全体の仕上がり的にはかなり誇れるものとなっています。自慢の一作です。
Note 2018/11-12 第69回群馬県展出展
2019/11 出生地(実家)の町内作品展出展