Title | Mother Tree |
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Skit | 私たちはどのように生まれてきたのだろうか。 もちろん母のお腹から生まれてきたのだけれど、母の母のそのまた母の更にずっと先・・・ 微生物だった頃から様々な変化を遂げて猿に至り、そして人間になったその過程で、母のお腹の中で1人1人が長い時間をかけて私たちは生まれてくるようになった。 その生まれ方はとても非合理的なように思えるけれど、その分だけ愛情が育まれるようにとの思いが込められているのだろう。 私たちはきっと、慈愛の心を知るためにこの生まれ方を選んできたのだ。 |
Size | F50号(W910×H1167mm) |
Material | アクリル絵具、木パネル |
Duration | 2021/01 |
Reflect | 1年半前に青森県の白神山地を訪れ、そこには「マザーツリー」と呼ばれる木がありました。 それはブナの木なのですが、通常寿命200年程のところその木は樹齢400年程であることから白神のブナ林の母と称されているとのことです。 その「マザーツリー」の名称をそのまま引用し、もしそれが文字通り「母なる木」であったどんな感じになるだろうかと考え、構想しました。 「樹限無」と同時進行で制作したのですが、ともに樹木から生命の在り方を捉えて表現したもので関連作品と言えます。 見た目はちょっと不思議な、しかし樹木以外の何物でもないものなりましたが、その中に様々な生物の要素を組み入れています。 幹から枝分かれをしたものが独立した個体になっているのはキノコのそれであり、 次期母(女王)として一個体だけ特別に育てられるのはハチやアリのそれであり、 腹の穴の中で子を守る様子はコアラやカンガルー等の有袋類のそれです。 根からも子株が生える描写も考えましたが、それは実際の樹木に有り得ることなので敢えて避けました。 本来は油彩で重厚感のある表現をしたいモチーフなのですが、今回は短期間で仕上げなければならなかったのでアクリル絵具を用いました。 艶やかさや神秘的な雰囲気はそこそこ出せたと思うので、これはこれでというところで。 制作中は気にならなかったのですが、縮小したものを見てみると何かしらアクセントになるものを入れたほうが良かったように感じます。 |
Note |