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Title Roots Bowlるつぼ
Skit 水や木々は生命の根源にして生命のるつぼ。
生きとし生けるものが糧とし、拠り所とする。
Size F50号(W910×H1167mm)
Material アクリル絵具、油性ボールペン、ジェッソ、木パネル
Duration 2024/02 - 2024/08, 2024/10 - 2024/11
Reflect 個展「Nature Fiction」にて未着彩のペン画として展示した作品にその後着彩したものです。

「るつぼ」という言葉の語感がなんだか面白いと感じ、そこから着想しました。
文字通り「容器」を表す意味合いと、「人種のるつぼ」と言われるように異なる様々なものが混在する意味合いがあり、そのどちらの意味も含む作品にしたいと考え、
そして発音上「るつぼ」と聞こえるよう「Roots Bowl」という語句を当てはめました。
「根」=「Root」は日本語でも英語でも「木の根」を意味しますが、どちらも同時に「根源」や「根本」という意味も併せ持ちます。
根はその主体である木が自立するため支えるになり、そして土砂崩れや水害を防ぐためにも必要不可欠であり、あらゆる生命の営みを護っていて、根は生命力そのものであり、生態系の根源、すなわち生命のるつぼ・・・と繋げていきました。
木の根をメインテーマとしつつ、あらゆる生命の根源である水にも焦点を当て、もう1つのメインモチーフとしました。
木の根が水を溜める容器(Bowl)の役割を担い、そこに生態系が出来上がっているという設定です。

といったように言葉遊びが先行した作品ではあるのですが、それが伝わらずともビジュアルだけで十分に観られる作品にしなければと思い、描写にも徹底的に手を尽くして制作しました。
個展で展示した際に質問されることが多かったのですが、下方1/4あたりの白い横ラインは水面(水上と水中との境)を表しており、それより上は空中から水中を見る視界で、それより下は水中から水中を見る視界となっております。
水槽のガラス面をイメージしたいただくとわかりやすいかと思います。(水槽を意図して描いたわけではありませんが。)

描かれている生物は以下の南米アマゾン川流域に生息しているものですが、限られた地域のみの生物もいますので、全てが同じ場所に生息している種類とは限りません。

[哺乳類]
アメリカヌマジカ、オオカワウソ、ジャガーネコ
[鳥類]
カンムリホウカンチョウ、オニオオハシ、アメリカワシミミズク、ツメバケイ、ルリコンゴウインコ
[爬虫類]
クロカイマン、オオヨコクビガメ、オオアナコンダ、ブラジリアンゲッコー
[両生類]
アマゾンツノガエル、テヅカミネコメガエル
[昆虫類]
マルスゾウカブト
[魚類]
・シクリッド
ロイヤルブルーディスカス、オスカー、セベラム、スカラレエンゼルフィッシュ、アピストグラマ・アガシジィ、アピストグラマ・ビタエニアータ、タエニアカラ・カンディディ
・カラシン
マーブルハイドロシナスガー、ピラニア・ナッテリー、バンデッドレポリヌス、ロージーテトラ、セルフィンテトラ、ハイフェソブリコン・ヘテロラブダス、ブラックテトラ、アロワナテトラ、カージナルテトラ、ブラックネオンテトラ、レモンテトラ、レッドファントムテトラ、シルバーハチェット、ペンシルフィッシュ、スリーラインペンシルフィッシュ、インパイクティス・ケリー
・ナマズ
レッドテールキャット、インペリアルゼブラプレコ、ロイヤルプレコ、ストライプトーキングキャット、ポートホールキャット、コリドラス・シュワルツィ、オトシンクルス
・その他
シルバーアロワナ
[植物]
・木本
左:特定なし&マメ科、中央;クワ科、右:ブナ科
・草本
アンスリウム、カラディウム・リンデニー、フィロデンドロン・セローム、ヤシ科、バショウ科、ヘゴ科、他
・水生
スイレン属、エキノドルス属(アマゾンソード、他)、バコパ属

生物名を列挙して改めて種類の多さに自分自身で驚きましたが、この作品を見てのファーストインプレッションは、生物の多さよりも木の根や水の存在感だと思います。
あくまでも木や水がメインであり、それが多種多様な生物のるつぼになっているということをテーマとしているので、その意図は達成できているのではないかと自負しております。

2024年11月10日現在、制作時間290時間(線描250時間、着彩40時間)でこちらに掲載しましたが、今後も更に加筆する予定です。
Note 2024/10 個展「Nature Fiction」出展