画像クリックで切り替え(1:全体図 2:部分拡大)
Title 森の喧騒
Skit 都会の喧騒を逃れてきたものの
纏わり付いて離れない焦燥感

ひとりのようで窮屈だ
賑やかなようで孤独だ
Size F15号(W652×H530mm)
Material 油彩、木パネル
Duration 2019/12 - 2020/01
Reflect 4〜5年前にタイトルだけが浮かび、手つかずのまま温めていた作品です。
喧騒とはほぼ100%の確率で都会を形容する言葉として用いられますが、都会の真逆である自然(森)に当てはめたらどうなるのか。
その矛盾を「森の喧騒」と言葉で表現することはとても簡単なのですが、それを視覚化するとなるとどう表現して良いものか、長い間考えあぐねていたのです。
シンプルに「森の中も大勢の人で溢れている」でも成立するのですが、それでは森を舞台にする必然性もなく、喧騒という精神的に煩雑なイメージの言葉にも直結しません。
結果的に、肉体は喧騒から逃れたとしても精神は引きずってしまうというテーマになりました。

構図は狼狽する人物を俯瞰(客観)的に描いておりますが、周りの木々に人の姿を重ねてしまうというその人物の主観も折り混ざっています。
色使いも憂鬱な精神状態を投影するため青を基調としました。

10年程前に手掛けた「Mahatoma」という作品も同じく木の枝や根を人間の手に見立てたものなのですが、使い回しというよりも別のアプローチから結局同じ形に辿り着いたという感じです。
というのも、顔の表情(目や口)は“相手の人間”の気持ちを読み取る材料になりますが、一方手は暴力や親切心を体現することはできるものの、どういう事情や心情によりそのような行動に出たのかまでは読み取れないツールです。
そのため、主人公の主観として“相手”が考えもなしに心ない行動を仕掛けてきているように思える、故に逃れる術もない、という意図でこのようになりました。

これからこのテーマを更に追求してみたいと思える、大事な作品となりました。
Note 2020/02-03 第54回前橋市民展出展(奨励賞)