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Title | 聖樹の泉 Holy Tree Fountain |
Skit | 他を救うために自らの命を代償にすることはできるだろうか。 どちらの命のほうが価値があるだとか、何の得があるのかとか、どうしてもあれこれ逃げ道を探してしまうのではないか。 他が為に犠牲を厭わない救世主、そんな存在を人々は神と崇め奉ったのだろう。 |
Size | S10号(W530×H530mm) |
Material | 油彩、木パネル |
Duration | 2021/06 - 2021/07, 2022/01 |
Reflect | 木々が枯れ荒廃した地に、聖なる木から流れ出た水によって緑が再生していく様子を表現しました。 絶望的な状況であっても、大きな力が加わればきっとそれを打破できるだろう(そしてそれにはもしかしたら大きな犠牲が必要なのかもしれない)というコンセプトですが、 とはいえ綺麗事を言うのは簡単でも、結局は他力本願になってしまって実際に解決に向かうのは難しいということも暗示しています。 「威風堂々」と同様に象徴的な木が丘の上に佇む構図で、また「STUMPOOL」のように朽ちた木から溢れる水によって次なる生命がもたらされる様子を描写しております。 「威風堂々」の唯一生き残った木が、自らの命を犠牲にして自然を再生させているという、ある意味続編のような形に仕立てました。 あまり緑が生い茂っていると荒廃していた地だとわかりづらいので敢えて植物は少なくしたのですが、種子がなくても芽吹く苔からまず生えるだろうということで苔を多めに散りばめ、そして聖樹のエッセンスから生まれた子孫としての新芽を所々に生やしました。 奥に見える丘にはこの施しがないために荒れたままという対比も作っています。 構想から描き始めの段階では、前述のように二作をドッキングさせたら面白いかなと安易な気持ちで着手した作品だったのですが、描き進めるうちに新たな真価を見出したように感じてどんどん気持ちが乗っかっていきました。 そのため、描き始めの粗っぽさと途中からの繊細さの両面が現れ、なかなかに味わい深さが生まれたように感じております。 もしかしたら安っぽくなってしまったかもしれないのですが、神々しさが出たら良いなと思い、雲から漏れる光や水滴に光の線を描き、写真のような効果も演出してみました。 |
Note | 2021/07 西山美術館企画 第2回現代日本アーティスト展出展 2021/11 西山美術館特別企画 晩秋の名作展出展 2021/11 第8回アール・パレ展出展 |